硝子施工 / 長谷川 清

平成5年度認定

昭和3年生 / 神戸市長田区在住

面積・重量がともに大きく、わずかなねじれが破損につながる大板ガラスの装着に定評。
また、ガラス切断技術にも優れている。特に円形型枠が得意。

受賞歴

安全性の上に成り立つ快適空間


住宅にしろ、ビルにしろ、完成に近い段階でガラスをはめ込む。「建物ができ上がる喜びは何度味わってもいいものです。」大板ガラスの装着に定評がある。「わずかなねじれが数年後の破損につながる恐れがあるので注意の上にも注意を払って作業をします」と、数々の大板ガラスの装着を手がけた人らしい言葉。
家業がガラス屋だった。父の後を継ぐ気はなかったので工業学校に進んだ。だが戦後、産業構造が変わり、めざす工場が休業状態となったため、家業を継ぐべく、見習に行った。昭和31年2月に独立して以来、ひと筋にガラス施工に励んで今日に至った。「昔の日本家屋は障子やふすま中心だったのが、近年、ガラス中心に変わってきています。一口にガラスといっても、サイズ・厚み・品種と多種多様。それらをうまく使い分けて、建物に付加価値をつけるんです。」ガラスは快適な居住空間を作るのにいまや不可欠のもの。


その一方で、一つまちがえば、危険を招く物でもある。「例えば、フロ場の入口などは万一の場合を考えて、強化ガラスや合わせガラスを使うことをすすめています」と、専門家らしいアドバイスも忘れない。「安全第一ですからね。その上に初めて快適性が生れます。」こわれものを扱う人らしく、あくまでも慎重な性格。吟味に吟味を重ねてどんな難題をもクリアする実力の持主。「苦労した仕事ほど満足感が大きいですね」と涼しい顔だ。