理容 / 中川 雅次

平成6年認定
昭和16年生 平成13年没
勤務先:(有)髪工房エトワール・21

ヘアをトータルファッションとしてとらえ、ニューヘア設定委員の経験も持つ。講師としても全国的に活躍。

受賞歴

”夢を与える美のエキスパ―ト”


近年、男性ファッション同様、ヘアファッションもまた多様化の傾向にある。そんななかで、中川さんはファッション性が高いうえに手間のかからぬヘアスタイルを開発している。「ヘアスタイルを頭だけにこだわってはダメです。あくまでもトータルファッションとしてとらえないと。そのために、アイロンパーマをうまく使って、思い通りのヘアスタイルに仕上げるのがコツです。」
アイロンパーマは、髪型を自由に整える利点がある反面、髪を傷める心配もあった。これを克服して中川さんは、低温アイロンパーマ液とセラミックヒーター丸アイロンの組み合わせによって、髪を傷めない新技法を確立した。
こんな腕前が評価されて全理連中央講師として全国を指導してまわった一方で、地元中心に後進育成のためのクラブを創設、次代をになう若手の指導に情熱を注いでいる。「テキストを作ったり、業界紙にポイントを発表したり、惜しみなく、持てる情報テクニックを私なりに公表したりして、業界の質的向上にも一役買っているつもりです。」
消費者のニーズの多様化と相まって、理容テクニックもますます高度化し、中川さんが指導する材料に事欠かない。「昔ながらの調髪や顔剃りなどの基本技術から、先の時代を見通したオールラウンドな美の追求まで、大変ですが、それだけにやり甲斐があります。」理容業界が毎年、全国的に打ち出しているニューヘアの設定委員を中川さんがつとめたことがある。「理容師本来の刈り上げ技術にアイロンパーマをプラスして、整えられた美しさよりもさりげない美しさを世に訴えたつもりです。」自信に満ちた言葉の中にも、やさしさがにじむ美のエキスパートだ。