西洋料理 / 中村 実

令和3年度認定

昭和34年生 / 大阪府在住
勤務先:ラ・スイート神戸オーシャンズガーデン

フランス料理の魅力と極意をレストランから料理学校まで幅広い人たちに。
フレンチの伝道師とも呼ばれる存在。

受賞歴

  • 調理師免許
  • 大阪府知事賞 受賞
  • FFCC主催メートル・キュイジニエ・ド・フランス・ジャン・シリンジャー杯 優勝
  • 全国司厨士協会主催 食博覧会料理コンクール特別優秀賞「農林水産大臣賞」受賞
  • 全日本司厨士協会アカデミー銀賞
  • 日本エスコフェ協会デシープル

若くして渡仏、5年間の修行生活でフレンチの技と心を身に付けて帰国。東京、大阪のレストランで磨きをかけた後、料理学校教授を経て、神戸北野でおもてなしの本領を発揮。


神戸の顔と言われる異人館の町・北野にある「北野ガーデン」で、顧客をもてなす総料理長・中村 実さんの姿はまるでフランス映画のワンシーンを見るようだ。
「お客様に料理のおいしさはもちろん、大切な人生の1ページをここで過ごす喜びを実感して頂くのが私の使命と心得ています」
ウイットに富む対応のすべてが彼ならではの持ち味をかもし出して、フレンチの伝道師と言われるほどの輝きを放っている。
東京都墨田区の生まれ。高校時代に親戚が営むカフェを手伝った時、初めて自分が作ったものをお客様が幸せそうに食べる姿を見て、料理人としてのやりがいや素晴らしさを知った。同時に自分も料理を通して人を笑顔にする道に進みたいと強く思った。

高校卒業後、フランスに渡り、ノルマンディー地方の古城を活用したレストランで、おもてなしの作法からフランス料理の真髄までを修得した。
この充実した修業時代に母が送ってくれる時代小説がきっかけで日本文化の素晴らしさを再認識し、フランスの歴史文化にもより強く興味を持つようになった。
ワインの本場、ブルゴーニュのレストランなどいくつかの場所で修行を続けて5年経ったころ、東京のレストランから誘いがかかり帰国。
「日本の飲食業界のしきたりなど面食らうことが多くありましたが、フレンチの魅力を伝えるための試練だと思い、謙虚に頑張りましたよ」と、20代から30代にかけての自分を振り返える。


その後東京から大阪へと活動の裾野を広げた。30代後半に、東京で開催された第6回メートル・キュイジニエ・ド・フランス・コンクールで優勝、本場仕込みのフレンチを普及させる活動に拍車がかった。そんななか、一世を風靡したテレビ番組で有名だったフレンチの鉄人が看板の店を任されて大活躍。  
さらに、料理学校のなかでも別格のル・コルドンブルー・ジャポン神戸校から招聘されて教授に就任した。  
「フレンチはレシピそのものにシェフの個性が要求されますので、その辺の極意もフランス料理人として指導させてもらいましたよ」  

60代になったのを機に、神戸北野の邸宅レストランを拠点として本領を発揮、現在に至っている。「アール・ド・ヴィーヴル」。究極の味で生きる喜びを提供するフレンチの伝道師、益々意気軒昂。