タイヤ整備 / 吉本 一男

平成9年認定

昭和24年生 / 神戸市灘区在住
勤務先:(有)吉本タイヤ

タイヤ整備の技術の基本は正確・安全に加えてスピード。
大型フォークリフト車のタイヤ入れ換え作業を大幅に短縮。

受賞歴

地に足が着いた地道な仕事


昭和34年に父が創業したタイヤ整備業を同46年、大学卒業後すぐに手伝った。「数学の教員になろうとも考えたのですが、10歳のころから父の仕事振りを見て来ましたし、学生時代もアルバイト代わりに家業を手伝って来ましたので、生涯の仕事はこれしかないとためらいはありませんでした。」
父に学んだタイヤ整備の技術の基本は、正確・安全に加えてスピード。省力化の時代の要請に応えて神戸港のコンテナヤードの大型フォークリフト25トン車のタイヤ入れ替え作業を、従来二人がかりで半日費やしていたのを、大型タイヤチェンジャーをいち早く導入して、交換時間をわずか40分に短縮した。その知識と技術を惜しむことなく同業者に伝え、指導した。


タイヤメーカーの一方的な情報に頼らず、自らの発案で「超偏平タイヤのチューンナップ作法」の講習会を企画するなど、業界の指導者的存在として地道な活動ぶりを展開している。「タイヤ整備は危険を伴う仕事です。特に空気充填の作業では破裂によって死亡事故が発生することもあります。安全を守ることに加えて、時代と共に変わるタイヤの材質と増え続ける製品の特色をしっかりふまえて、プロとして良質の仕事をしたい」との熱意が創意と工夫の原動力となっている。
「縁の下の存在ですが、タイヤ整備業の認識度はまだまだ低く、徐々にアピールして、せっかくの技術をもっと活かしてほしい。」タイヤのことはタイヤのプロ(専業店)にと胸を張る吉本さんだ。