婦人子供服 / 堺 幸子

平成10年度認定

昭和23年生 / 神戸市須磨区在住
勤務先:ファクトリーブティッククィーン

高度な裁断技術に加え特殊素材の縫製に高い技術を発揮し、皇室の洋服も手掛ける。

受賞歴

  • 卓越した技能者(現代の名工)
  • 黄綬褒章
  • ひょうごの匠認定
  • ものづくりマイスター認定
  • NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」「スカーレット」洋裁指導

幸せを包み込む洋服を・・・


「この一着は誰のために?」楽しい夢を見る気持ちで生地に立ち向かう。薄地、厚地、コート地・・・どんな難しい素材も苦にならない。どんなデザインにも対応できる高度な裁断技術に加え、コーティングされた特殊素材や皮革をあしらったものなど、縫いにくいものになればなるほど高い技能を発揮する。「どんな布地でも洋服に出来ないものはありません。」着なくなった留袖をチャイナドレスに蘇らせたり、着物をパーティドレスにリフォームしたりは朝めし前。「既成概念にとらわれず、着やすく、やさしく、その人を幸せに包み込む洋服を・・・」と、カジュアルなものからフォーマルなものまで、婦人ならすべてを器用にこなす。


そんな腕が見込まれて皇室の紀子様のスーツやマタニティドレスを手がけるという名誉にも恵まれた。「とくに、ご懐妊中のアンサンブルはマタニティらしくないものをと心がけて、逆三角形シルエットのおしゃれなファッションにしました。思いきった洋服にしてみたんですが、週刊誌などで紀子様がお召しになっているお写真を拝見した時、胸が熱くなりました。」生みの苦しみを味わった者にしか味わえぬ感動だったことだろう。
福岡の生まれ。手に職をと志し、昭和38年に来神して「甲南ドレス」に勤めたのがこの仕事に就いたきっかけ。平成3年、経営者の死亡で、「幸ドレス」として独立したものの、同7年の阪神大震災で打撃を受け、東灘区からミシンを持って長田区の「クイーン洋装店」に移り、共同経営者として再起をはたした。