ゴム製品製造 / 小田 信之

平成11年認定

昭和16年生 / 加古川市在住

・高い精度を要求される大規模コンベアベルトの接合作業で、国内外で数多くの実績を持つ。
・技術力はもとより指導力についても定評があり、海外での厳しい環境下においても現地の作業員を指導して適切に作業を行う。また、会社や協会での数多くの講習会等で後進の育成に努める。

受賞歴

コンベヤベルトに載せた人生


山、海へ行く――この言葉を地で行って、ポートアイランドの埋立用土砂を運んだベルトコンベア。 総延長20kmほどにもなるそれは、1ロールが300mほどのコンベヤの連係作動で延々と土砂を自動運搬するよう組立てられている。
ゴムの一枚板のように見えるベルトだが、内部はナイロンをはじめ様々な材質から成り立ち、強度を保っている。 このベルトがエンドレスで回転するよう接合する作業で、各層を傷つけることなく接合するには一にも二にも経験と高度な技術がものをいう。
小田さんは今、スーパーバイザーとして現場の担当者たちを的確に指導し、高い評価を得ている。 その仕事場も、国内はもとより海外にもおよぶ。 しかも、海外といってもその現場は都会を遠く離れたへんぴな場所がほとんど…。


食事や言葉の問題に加えて過酷な気象条件の中で、何ヶ月もの作業が続く。
「作業を終えて試運転の時、長大のコンベヤが一斉に動き始めるのを見たら疲れも吹き飛びます。」その感動が次の仕事への原動力となる。
広島県の生まれで、中学を卒業して大阪の鋳物工場へ就職したが手首を痛め、兄が神戸にいたことから神戸のバンドー化学へ。 「定年までにこの技術を一人でも多くの仲間に伝えたい。」と、数多くの講習会等で後進の育成にも努める。
――コンベヤベルトに人生を載せて、みごと花開かせた小田さんだ。