写真 / 河野 恒和

平成5年認定
昭和7年生 平成16年没
勤務先:河野写真室

婚礼写真、卒業アルバム等を得意とし、卒業アルバムコンテストでは、2度にわたり、入賞。特に人物写真には定評がある。

受賞歴

”美男美女を生み出す腕前”


中学生時代、趣味で写真をやっている人の暗室に入れてもらい、現像液の中から次第に浮かび上がってくる風景や人物に感動を覚えたにが、この道を歩むきっかけとなった。
長田高校でも文化祭などでは進んで記録係を引き受けた。大学入試に合格しながらも入学を断念して、写真館に見習いに入り、昭和29年、独立。「マグネシウムの分量を考えながら撮影した昭和20年代が懐かしいですね。私は今でもマニュアルのカメラが好きですよ。」婚礼写真、卒業アルバムなどを得意とし、卒業アルバムコンテストでは2度にわたり入賞の経験を持つ。


特に人物写真には定評のあるところだが、その秘訣は撮影技術に加えて、シィテイング、ネガ修正や印画修正の技術。写真はあくまで“自分の腕で作るもの” というのが持論。「鉛筆でネガを修正するんです。手間ひまかけて細心注意を払いながら。」印画紙に焼き付けられた写真にも手を加える。スポット筆でこまかく仕上げた後に、美人や美男の顔がほほえむ。神戸や大阪の写真館をまわって用意した見合写真でまとまらなかった縁談が河野さんが手がけたらスムージズに結婚まで決まったというエピソードにも納得。
「結婚式や七五三など人生の節目の瞬間を写真におさめ、大事な家の宝物を残すお手伝いをしているんです。」胸を張る一方で、改めて責任の重さも痛感する河野さんだ。