中華料理 / 石井 敏満

令和5年度認定

昭和49年生 / 神戸市東灘区在住
勤務先:神戸ベイシェラトン ホテル&タワーズ 中国料理 翠亨園

中国料理の神髄を修得したうえで、日本の食環境に適応させたオリジナリティー豊かな料理へ昇華。美味しく食べて予防医学にもつながるという新境地を開いて高い評価を得ている。

受賞歴

  • 調理師免許
  • 中国料理専門調理師
  • 栄養薬膳師
  • 2001年食博覧会大阪 畜禽部門 銀賞
  • 2014年李錦記青年厨師中餐国際コンクール 銅賞
  • 第10回青年調理師のための全日本中国料理コンクール畜禽部門 銅賞
  • 第5回兵庫の食材を使った健康料理コンクール 優勝
  • 日本中国料理協会会長表彰 技能功労賞
  • 神戸市技能奨励賞
  • 神戸市優秀技能者表彰
  • 第19回兵庫県調理師大会会長表彰
  • 兵庫県技能顕功賞

世界屈指の伝統を誇る中国料理をベースに、薬膳料理の優れた要素を加えて独自の料理を世に出し、業界の牽引役に。またホテルの顔として、技術と心の両面でお客様をおもてなしする姿はスタッフから目標とされる存在となっている。


「山、海へ行く」との言葉を地で行った大規模人工島・六甲アイランドの中心地にある「神戸ベイシェラトン ホテル&タワーズ」。その中国料理「翠亨園」で料理長を務めるのが石井敏満さん。
辻調理師専門学校で2年間総合的な専門教育を受けたノウハウを活かして彼はホテル全体の副総料理長も兼任。西洋料理・和食・製菓と多彩なホテル料理の場においても陣頭指揮でめざましい活躍ぶりを見せている。
専門学校卒業後、新神戸オリエンタルホテル(現・ANAクラウンプラザホテル神戸)への就職をスタートとして、ホテルオークラ京都などで修行を積んだことが料理長としての実力となっている。シェフスタイルが板についた彼の姿に兵庫県立社高等学校野球部員として練習に励んだユニフォーム姿がオーバーラップする。
「身体を動かすことが好きなので、バットを包丁に持ち替えて料理人の道に進みました」
と語る石井さんは少年時代、東条湖の近くで親戚が経営する飲食店を身近に育ったことも業界入りを志す要因の一つとなった。厨房周りの活気ある光景に興味をそそられたことが原体験となって敏満少年を成長させていく。


「専門学校で特に関心を抱いたのが中国料理でした。卒業後、就職先にホテルを選んだことが居地正一料理長との出会いに繋がりました」
視野の広い指導を受けるなかで、料理コンクールにも出場出来るようになり、兵庫県主催のコンクール優勝だけでなく、全日本コンクールのほか国際大会にも挑戦のパスポートを手にした。
李錦記青年厨師中餐国際コンクールに日本代表として出場、香港において台湾・シンガポール・マレーシアなど6カ国から選出の強豪約50名を相手に石井さんは見事銅賞を獲得した。
そんな彼に中国料理の究極の地・北京で2週間の研修に招待という機会が訪れた。北京・広東・上海・四川の四大系統に大別される中国料理において、広東料理をベースとする石井さんだが、地域の相違を本場で実感出来る千載一遇の好機となった。その体験を関西の若手料理人に披露、後進の指導もやってのける石井さんの技能の上達ぶりが認められて朗報が舞い込んだ。神戸ベイシェラトン ホテル&タワーズ「翠亨園」の料理長にという誘いだった。41歳にしての抜擢はそれに留まらず、ホテルの副総料理長にも就任という名誉をも得て現在に至っている。
日本人の味覚には油濃くなりかねない中国料理だが、下拵えとして行う油通しひとつ取っても独自の技が光り、高齢者でも胃もたれせず毎日食べられるほど美味しいと好評。「食養」という観点で食べる人の健康維持・増進と病気の予防を目指すのが石井流。ブライダルやお祝い事の宴席には野菜や果物に細工包丁で彫刻を施したり、食材を鳳凰などに盛りつけをした拼盤(ピンパン)にも定評がある。口に入れる前にまず目で味わい、老若男女問わず料理を楽しんでもらおうという気配りはプロの料理人としてのプライドを感じさせる。

「お客様の喜んで下さる顔を見るのが私の何よりの喜びです」  
技術に心を添えて日々の業務に精励することが石井さんの生き甲斐となっている。